きちんと咬めるようになる、精密なかみ合わせ

インプラント成功のための、もう一つのカギ ―咬み合わせ―

インプラントは、手術ばかりが成功のカギではないのです。私は、手術が成功しただけでは、インプラントが成功したとは言えないと思っています。

上部構造体(人工の歯の部分)の咬み合わせはとても重要で、インプラントの維持期間(長持ちするかどうか)を左右してしまいます。

インプラントを治療した部位だけでなく、その他の歯も全体的に考慮して上下左右の咬み合わせのバランスを整える治療をしなければ、長期的に維持することは難しくなります。

インプラントの咬み合わせには独特な考え方があり、専門知識を必要とします。単純に「歯が欠損した部位にインプラントを埋入する」という安易な治療を、当院では行っていません。

当院では精密な「咬み合わせ」を構築するため、綿密に診査診断し、全体的にバランスの良い状態を目指して治療していきます。


精密な咬み合わせを構築するために、当院で行なっていること

1.正確に、インプラントや周囲の天然の歯の「型」を採ることから始まります。

●正確に型を採るための材料について

私が、専門書などでインプラントに適切な材料を調べ、実際にいろいろなものを使用して比較検討した結果、現在の材料を採用することにしました。他社のものに比べて、歪の少ない型が安定して採れています。また、診療室の室内温度にも影響を受けることがわかったので、室内温度も管理しながら行なっています。

●正確に型を採るための方法

当初はインプラントメーカーの推奨する方法を採っていましたが、それだけでは当院の目指している精度を達成できないので、専門書を調べたり、研修に参加して現在の方法を採用しています。治療時間も工程も複雑になり、来院回数も増えますが、それだけの努力の成果は得られているので、

これらの方法にはこだわり続けていきたいと思っています。

●型に流し込む歪の少ない石膏

精密な歯型の模型を完成させる最後の工程は、石膏を流し込む作業です。ここで使用する石膏は、型を採る材料に合った種類の中から歪が少なくて精度が高く、硬くて強度の高いものを選択しています。

2.精密な咬み合わせには、あごの動きを再現する必要があります。

当院では、下の写真のように、頭蓋骨に対して歯並びの位置決めを行なう特殊な装置を使用しています。

咬合器これに加えて、あごの動きを正確に再現するため、面倒な作業をコツコツ積み重ねていきます。あごを前方、左右に運動させて、それぞれの記録をとります。これらの記録をとって技工所に送るのですが、技工士さんには、

「こんな、装置と記録を送ってくるのは先生だけですよ!」 と言われています。

この技工所は、たくさんの顧客(歯科医院)を抱えているのですが、この様な方法を実践しているのは当院だけのようです。

咬合解析器

もっと難しく複雑なかみ合わせでは、右の写真のような、あごの動きを3次元的に計測、分析する装置を使用して、その患者さんにとって理想的な咬み合わせを模索していきます。






3.精密なかみ合わせの上部構造体を製作する、技工所も大切です。

技工所にもそれぞれ得意分野があり、専門化してきています。

インプラントに特化した技工士さんもいて、日頃から学会や研修会に出席して勉強してくれているので、精密な上部構造体を求める当院にとっては、強い味方です。

前述の石膏模型の製作から、すでに他の技工所とは違った方法で行なっています。その後の製作物でも面倒で複雑な工程を、ていねいにコツコツ進めてくれます。

当院から技工所へ、

「当院の治療工程で気になることがあったら言ってください。確認のため患者さんに来院してもらったとしても、精密な治療をしてあげて、インプラントが長持ちした方が結果的には患者さんのためになりますから・・・。」とお話ししたら、

「そう言ってもらえると、ありがたいです。」というお返事と同時に、「先生の医院の技工物には気を抜けませんね。」と笑って言っていました。

このようなわけで、当院では上部構造体も、型を採れば次の週に手軽に完成!…とはいかず、製作期間も長めにかかってしまうことをご理解ください。


一流の歯科医主催の勉強会や研修に参加して解ったこと

今まで私が一流の歯科医に対して持っていたイメージは「知識も技術もすばらしいが、費用も高額」というものでした。実際に、面倒な作業をコツコツとこなして、一つの作業がきちんとできてから次の作業へ進むので、治療時間も期間も膨大にかかります。妥協も一切なく、これだけの時間をかけるので、費用も高額になるのは、仕方のないところと思いました。

私は、治療に妥協せず一つ一つの作業を大切にするやり方に感銘を受け、当院でも同じ方法を採っていますが、ご存知の通り、良心的な費用」をできる限り維持するため、工夫と努力をして患者さんに提供して参りたいと思います。

前述のように、インプラントを長期的に維持していくためには「咬み合わせ」も重要な項目と考えています。なかなか難しい分野ですが、患者さんにもその意味や重要性をご理解ただけるよう、尽力して参ります。


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